| 合計 |
８本 |
| うち劇場 |
４本 |
【トラフィック】 スティーブン・ソダバーグ
マイケル・ダグラス、ベネチオ・デル・トロ、キャサリン・セダ・ジョーンズ。
メキシコ国境付近、麻薬をめぐる群像劇。主役は特にいません。麻薬密輸業者、
メキシコ警察（トロ）、アメリカ警察、麻薬撲滅運動指揮者（ダグラス）などが
それぞれの立場で麻薬のまわりをグルグルまわっています。ソダバーグは過去に
「蒼い記憶」とか、「アウト・オブ・サイト」という作品をつくってます。これ
らの映画は複数の場面が平行して流れていくという手法を使っていて、特に蒼い
記憶なんかわかりづらい映画でした。しかし、その手法が洗練されトラフィック
は実にバランス良くわかりやすくできています。出来の良い完成品と言った感じ
で、普通の映画3本分ぐらいの内容の濃さ。映像を色分けするというのは蒼い記
憶でも使っていましたが、それぞれの立場の人物がきちんと描けていて、キャス
ティングも見事です。助演男優とったトロはいいですね。セダ・ジョーンズもお
金持ちヤクザの奥様という雰囲気が良いです。この映画はアカデミー監督賞をと
りましたが、納得です。
手法はこれぐらいにして、話の内容について。アメリカでは麻薬はどうやら一
大産業になってしまっているようです。ある密輸集団をつぶしても、別の集団が
市場を広げるだけで消えてなくなるものではありません。問題は麻薬に対する堅
実な需要があることなのです。タバコや酒を禁止したところで、消えてなくなら
ないのと同じで、麻薬もアメリカでは嗜好品になってしまっているのですね
(^^;; いっそのこと禁止するのやめたらどうだろうか、というのは暴論か？タバ
コも本人の嗜好で害があろうが吸ってるわけです。麻薬を解禁したら人間社会は
堕落してしまうのか？
この映画はそういった無力感だけでなく、着実に前進している人達の姿も描い
ています。悪いものを叩きつぶすだけでなく、そういった悪い方向に行かない道
筋をつくるのです。誰もが悪くなろうと思って悪くなるわけではないのですから。
（★★★★☆）
2001/5/3 wrote
【ザ・ダイバー】 ジョージ・ティルマンJr
ロバート・デニーロ、キューバ・グッディングJr、シャリーズ・セロン。アメ
リカで人種差別がのこる時代。黒人青年がアメリカ海軍でマスターダイバーの称
号を勝ち取るまでの半生の映画。アメリカ人のすきな軍隊ものサクセスストーリー
で実話だそうですが、題材が地味ですね(^^; 監督も見せ場をつくるのに苦労し
たのではなかろうか。基本的に水の中で重たい潜水服着てブクブクやってる人達
の話ですからね。アメリカでは消防士という職業が、かっこいいと思われてるら
しいですが、潜水士（ダイバー）もかっこいいみたいです。鬼教官デニーロと息
止め競争をするシーンとか、水中でバルブを組み立てるシーンなどちょっとひい
てみると笑えます(^^;
しかし今の時代になってこうやって人種差別を見ると、なんとくだらないこと
やっていたのかと思います。環境問題についてもそう思える時代がくるかな？
どっかで見た顔だなと思ったらブレアウィッチのお兄ちゃんが出演してました
(^^;
（★★☆）
2001/5/10 wrote
【ショコラ】 ラッセ・ハルストレム
ジュリエット・ビノシュ、ジュディ・デンチ、ジョニー・ディップ。ヨーロッ
パの保守的な田舎町にある日、どこからかやってきたビノシュと娘がチョコレー
ト屋を開いた。
チョコ＝甘い＝堕落、ととるような人に満たされた街をビノシュが明るく楽し
く変えていきます。チョコレートなんて食べなくても生きていけます。なのにど
うしてチョコを食べるの？おいしい！楽しい！からです。なにごともにも遊びは
必要。250円の牛丼ばっかり食べてたらだんだん悲しくなっていくでしょ(^^;
楽しいおいしい食事は人間にとって重要なのです。
この閉塞した暗い田舎町はまさに今の日本ではないですか。この重苦しい雰囲
気を振り払うには、構造改革そして意識改革が必要なのです。
今年のアカデミー賞はジュリア・ロバーツがとったけどこのジュリエット・ビ
ノシュにあげてほしかったですね。脇役陣も味が出ていてよいです。
（★★★★☆）
【LOVE SONG】 佐藤 信介
伊藤 英明、仲間 由紀恵。あこがれの伊藤に会いに東京へ行く仲間。しかし
彼が経営しているはずのレコード屋は既につぶれていた。
年上（推定年齢28歳？）にあこがれる高校生。しかし、男の方はそんなことに
全然気がついていない。そして、仲間に恋心を寄せる同級生。仲間は全く相手に
しない(^^;; 高校生ぐらいだと特に男の方が子供っぽいですよね。そのアンバラ
ンスさが実におもしろい。
LOVE SONG というのは尾崎豊の曲だそうです。伊藤が仲間に貸したレコード
が尾崎ということで、テーマソングが尾崎豊の曲になっています。ちなみに私は
尾崎の曲は特に興味無し。仲間由紀恵が見たかったのです。高校生やっても違和
感なくて、かわいいです。
甘く切ない恋心、日本の映画もいいやね。
（★★★★☆）
2001/5/17 wrote
【ゴジラ ミレニアム2000】
佐野史朗、阿部寛。毎年恒例行事となった感のあるゴジラです。ストーリーは
いつもと同じ。海からゴジラがやってきて自衛隊が応戦して街ぶっ壊して、なん
かわからない怪獣がでてきてゴジラと戦ってゴジラは帰っていく。もう水戸黄門
状態になってますね(^^;
しかし、よく見るとゴジラって自衛隊全面協力の映画だったんですね。もちろ
んミニチュアも使ってるけど、実車映像もふんだんに盛り込まれています。昔か
らそうだっけ？
しかし、ヒロインがいないというのはイカンね。花がないとつまんないぞ。
（★★☆）
【カリスマ】 黒沢 清
役所 広司、風吹 潤。森の中に移植されたカリスマと呼ばれる希少木。その
木はまわりの木を枯らしながら自身も次第に弱っていく。
観念的なわかりづらい映画です。きっと何かを象徴しているつもりなのでしょ
う(^^; 映像は凝ってます。しかし、こんな映画に役所広司とか有名な俳優使わ
ないでもいいのにね。一般受けは当然しない映画です(^^;
（★★）
【ホーンティング】 ヤン・デ・ポン
キャサリン・セダ・ジョーンズ、リーアム・ニーソン。豪邸になにかがとりつ
いている。恐怖の館に泊まった若者たち。
ドリフのお化け屋敷コントと考えていただければ間違いないとこ。志村！そこ
そこお化けだよ！そして後半に行くに従い、だんだんお化けの行動が大胆になっ
ていきます。最後はハリウッドお得意のグロテスクな怪獣ちゃんが出てくるのか
と思って期待して見ていたのですが、なんも出てこなかったです(^^;ガッカリ
セダ・ジョーンズはなかなかきれいに撮れてます。一方、リーアム・ニーソン
はどこにいたかわからないぐらい目立たない(^^;
（★★）
【スウィート・エンジェル・マイン】
カナダ映画。カナダの田舎街に母と娘。そこにあるときバイクに乗った青年が
通りすがった。この親子はなにかワケアリみたいだ....。
ジャンルとしてはホラーになってるみたいですが、全然そんなことありません。
母と子。そして家族の物語です。子どもを自分の価値観で縛りつける母親。しか
し、彼女も自分の母親の亡霊におびえているのであった。世の中で起こっている
犯罪のほとんどはベースが親子関係にあるのではないかと思う今日このごろです。
カナダの田舎町の物悲しい雰囲気。影のある登場人物がよく描けている映画で
す。
（★★★★）
2001/5/19 wrote