読書 更新順

March 1998

合計 8冊

【マークスの山】 高村 薫
 刑事推理小説です。直木賞とって映画にまでなった作品です。私見てませんが 映画の評判は確かあまり良くなかったと思います。しかし、原作もそんなおもろ ないです(^^;。ストーリーは平凡。警察が証拠をみつける過程なんかは、よくこ んな裏事情知ってるな、と感心しますがそれだけです。作者は女性なのですが、 どうしてこんな細かいこと知ってるのでしょう。女性っぽさには薄い作品です。
 猟奇殺人なんですが、殺人者は二重人格です。だから何でもあり的なとこ多い のですが、殺人の動機づけがいまいち。金取りでもないし、怨恨でもない。じゃ あ何?って感じでしょうか。
 話の進み遅く、要らない登場人物多く、読んでてつかれます。たね明かしを遺 書でやるってのも安易すぎです。(★★☆)

【シンプル・サイモン】 ライン・ダグラス・ピアソン
 自閉症だけども、数学的に天才の16才の少年がアメリカの政府の機関が開発し た暗号を解読してしまいます。それを知ったその機関は少年を捕まえようとしま す。その子供を担当していたセラピーのだんなはFBIで、子供を守ろうとしま す。政府の機関同士のバトルがはじまってしまいます。
 映画化決定しているそうです。敵の殺し屋は美人な日本人女性です。しかし、 猟奇的な殺しをやります。
 見せ場はそれなりにつくってある感じですが、ストーリーはあんまおもろない です。映画になっても見たいと思わない。(★★☆)

【離婚式】 三浦 俊彦
 結婚センターに登録し、何度もお見合いをくり返している、ある男女の会話を 追っていきます。銀行員と薬剤師のカップルです。前半は、相手から情報を引出 しつつ自分を売り込む、リアルな会話の様子が展開していきます。
 後半はもし自分らが結婚して離婚したら、どうして離婚することになるだろう という話になり、もしそうなったら離婚式をやろうとなります。ここらあたりか らダラダラしてきてつまんなくなってきます(^^;
 結婚とはなぜするのか。結婚したらいったいどうなるのか。そのあたりいろい ろと考えさせてくれます。
 デートでの会話なんて、冷めた第三者の目でみるとくだらないですね(^^;
 前半おもろかったけど、後半かったるかったです。結婚を考えている人は読ん だ方がいいかも(^^;(★★★)

1998/03/04 wrote

【テイクダウン(上)(下)】 下村 努 ジョン・マーコフ
 サブタイトルは若き天才日本人学者 VS 超大物ハッカー。ケヴィン・ミトニッ ク逮捕の追跡ノンフィクションです。このネタは以前感想文書いたジョナサン・リット マンの著書の題材でもあります。リットンマンはミトニック側から見てますが、 本書は下村側から見ています。2冊読んではじめて事件の全貌が見えるという感 じですかね。ケヴィン・ミトニックという人物がおもしろいので、本書よりリッ トマンの著書の方が読んでいて面白いです。
 本書はけっこう専門的です。UNIXやインターネットの知識がある程度ないとつ いてけないかもしれません。下村はサブタイトルで天才と書いてありますが、本 当に天才です(1964生)。出身は日本なのですが、両親は研究者でアメリカと日本 をいったり来たりしていたようです。努はいわゆる、学校教育の枠にはまらない ぐらいの天才で、高校も大学もきちんと卒業していません。それでもアメリカの 政府機関でコンピュータのセキュリティの研究をしていたのです。
 本書は映画化する予定だそうで、オリバー・ストーンが監督したいと言ってる という噂もあります。ハッカー追跡劇だけでなく、ちょっとしたラブストーリー も織り込まれていて、監督次第でおもしろい映画になりそうです。(★★★)

【インターネットはグローバルブレイン】 立花 隆
 半分はインターネットのおすすめページ紹介。残りはコンピュータ業界の人と の対談という感じの本です。人がおすすめするページってのはやはりそれなりに 良いから、私も興味あるところはそのうち見てみようかと思ってます。
 このおじさんは、インターネットに肯定的で、好意的です。まあ、インターネ ットはくだらないとか、役に立たないとか言う方がおかしいですが。 (★★★)

【お笑い外務省機密情報】 テリー伊藤
 「お笑い大蔵省〜」という著書がありましたが、今度は外務省です。前作はか なり反響がありすぎた(謎)ようで、本書はその影響かパワーが少しダウンして います。官僚のナマの言葉がオブラートにくるまれている感じ。取材受ける側も テリー伊藤という人物を警戒してるようなところが感じられます。それでも、” 外務省官僚”というものがどんなものか本書を読めばわかることでしょう。 (★★★)

1998/03/23 wrote

【ループ】 鈴木 光司
 リング・らせんに続く完結編だそうですが、はっきり言っていまいちくんです ね。ベストセラーで1位だそうですが、メディアミックス戦略が当たっただけで す。映画も面白くないしね。
 内容的には一応前作とつなげてますが、無理してくっつけてる感じ。はやりも のという感じで、自己進化プログラムネタ入れてますが、本の書き写しみたいな 感じ。バーチャルリアティもとってつけた感じだし、突然アメリカ行っちゃうの も変。取材旅行にでも行ったんだろうな、と思ったらその通りだし(^^;
 らせんは、ストーリー荒唐無稽だったけどもそれなりに面白かったですが、こ のループは荒唐無稽なだけです。映画化もう決まってるそうですが、これはきっ とつまんないぞ!(★★)

1998/03/27 wrote


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