今一番インターネット普及の障害になっているのはネットワークインフラです。今の一般的な家庭での利用形態は電話あるいはＩＳＤＮ回線によるダイヤルアップ接続です。そもそも電話というのは音声を使って会話するためのものなので、データ通信に適していません。既に通信速度は限界に達しています。また通信中は１回線を完全に占有してしまうので、まことに不経済。なのに料金は高いという、不条理な世界になっています。
ＮＴＴはテレホーダイという、インターネット利用者に寝不足を強いる料金設定をし、利用者を苦しめています。全く不条理な話です。ケーブルＴＶがインターネットサービスを行っていない地域はこのサービスを使わざるを得ないのですから、なんとかしてもらわないと困ります。
ＮＴＴでも常時接続の接続サービスが試験的にようやく行われていますが、まだまだ値段が高い。しかもこれは電話回線、あるいはＩＳＤＮ回線という縛りがあるためスピードが遅く、ストレス無いインターネット接続とはいえません。 ＮＴＴはいつまで電話回線を使って利用者にデータ通信をさせるつもりなのでしょう？インターネットにダイアルアップ接続するという形態は無くしていくのが望ましい。ＮＴＴは是非ともその努力をしてほしい。
ＮＴＴの今後の方針として考えられるのは、ＩＳＤＮより早いコンピュータ専用回線をつくることでしょう。おそらくデータ通信専用のジャックというものができて、後には電話もこれに取り込まれることになるかと思います。ＩＳＤＮなどという時代後れの役に立たない技術ははやく捨て去って、データ通信用の規格を定めて普及させてもらわないと困ります。どうもＮＴＴは意図的に手札を小出しにしてるような気がしてなりません。
ＮＴＴに頼らずとも、ケーブルＴＶがインターネットサービスを行っている場合もあります。このタイプは従量時間制ではなく、月額一定やデータ従量制にしている場合が多くなっています。健全なインターネット料金徴収制度はやはりこの形になるべきです。アメリカではこちらの方式が一般的になりつつあるようで、何でもアメリカに追従する日本もいずれこの形なるでしょう。
インターネットというのは常時接続となってはじめて大きな意味を持つものです。時間を気にしてつないでいては役立つ情報を見つけることは困難ですし、落ち着きません。この精神的な要素はかなり重要といえます。いつ何時つなごうがそこに情報がある、というものになって大きな力を持つものとなります。
ですので、常時接続が適正価格で行われるようになるだけで、社会は変わるでしょう。
例えば天気予報やニュースなどと行ったものはインターネットで見るに適した情報です。これはインタネ、これはテレビ、という具合に情報の質によって見るメディアを変えるという状況になるのが本当です。
CATV側からの逆方向のアプローチもあります。ケーブルフォンと呼ばれるもので、CATV網を使って電話をするというもの。これを使えばNTTとは完全に縁をきる（利用者がNTTに直接お金を払わないでよくなる）ことができます。
NTTは今のままではそのうち破綻をきたすのではないでしょうか。出し惜しみしてるうちに徐々に包囲網はできつつあります。巨象は今のままでは、そのうち倒れてしまうことでしょう。
○結言
・インターネットは一般家庭でも常時接続したい欲求が広まる。
・インターネットにダイヤルアップ接続させるのはいい加減やめにしてほしい。
◇CATV網によるインターネット配信をしているプロバイダ
http://internet.impress.co.jp/provider/expert/catv/
◇IP接続サービス（仮称）
http://www.ntt-east.co.jp/teigaku/
◇ケーブルフォン（J-COM）
http://www.jcom.co.jp/phone/
08 FEB 2000 wrote