日朝平壌宣言が発表されてから、9/17で1年となる。突如、小泉総理が平壌へ行き金正日と会談。日朝の国交正常化を宣言。そして拉致されていた5人が日本へ。たいへん衝撃的な出来事でした。
しかし、その後の展開はご存知の通り。日本政府は、拉致問題の全面解決（その定義はなんでしょう(^^;?）を声高に叫び、北朝鮮に戻る予定だった5人を帰しませんでした。おかげで北朝鮮は”約束を守らなかった”と態度を硬化。こんなことをすれば北朝鮮がこうなるのは十分予想可能だったはずで、日本の外交政策の大失敗と言ってよいでしょう。このため日本に帰った5人は離散家族になってしまいました。家族は人質のようになってしまい、お互いの国の”交渉用カード”になってしまいました。悲惨と言うしかありません。
なんでこうなってしまっのたか。一番は政府や総理に確固たる方針が無いからです。平壌宣言は親朝派の官僚が仕組んだものだったのでしょう。しかし、政府は一枚岩ではなく、総理も腰が座らないのでほんのちょっとの間に反朝派やアメリカ、朝鮮半島の安定を望まない勢力にあっさり巻き返されてしまいました。
一旦このようにこじれてしまった、北朝鮮との関係の修復は相当に難しいものとなってしまいました。たった1年前に小泉と金正日は握手をしていましたが、今は”北朝鮮からミサイルが飛んでくるかもしれない”とマスコミはあおり、旅客船マンギョンボン号が入港してくるだけで大騒ぎです。自衛隊はテポドン用迎撃ミサイルを導入しようとしています。
北朝鮮や金正日をモンスターに仕上げて私たち一般人にはいったい何のメリットがあるのでしょう？彼らは本当に脅威なのか？いがみ合って緊張状態を続けることに何の意味があるのか。
北朝鮮が韓国同様、日本と国交が正常化されたらどうなるでしょう？まず、テポドン用ミサイルは必要なくなります。アジア圏からいわゆる”脅威”が無くなることになりますから、防衛関係費が大幅に縮減できるようになるでしょう。人の行き来も自由になりますから、蓮池さんも横田さんも好きなときに行けますし、彼らの住む場所だってどっちでもいいのです。
あれから1年。小泉総理は平壌宣言などなかったかのようで、総裁選に忙しいようですが、あの宣言についてもう一度考えてみる必要があるのではないでしょうか？あれは総理にとっていったい何だったのですか？
○平壌宣言
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/09/17sengen.html
04 SEP 2003 wrote