Nシステムというのをご存知でしょうか。道路に設置された監視カメラによってナンバーを読み取り記録保存するという、警察が全国規模でつくったシステムです。これはスピード違反を取り締まるオービスとは異なります。オービスはスピード違反車を撮影しますが、Nシステムは通過するすべての車を撮影しています。
建前上、Nシステムは「盗難車両の検挙」、「盗難車両によって実行されることの多い諸犯罪の防止」のためのシステムということになっています。
Nシステムは自動車の正面画像を撮影します。夜でも赤外線フラッシュを炊いて撮影しています。そこからナンバー部分を解析し車のナンバーをテキストで保存していることになっています。しかし、実際は画像も保存しているのではないかと疑われています。
今まで警察はこの存在を認めながらも、詳しい用途や性能には口をつぐんでいました。なぜなら、このNシステムが国民監視システムではないのかと追求されるとまずいからです。実際、このNシステムが裁判の証拠として使われたことはないそうです。
こんな知る人ぞ知る日陰の存在のNシステムだったわけですが、ニュースの言葉として普通に使われるようになったようです。今世間を騒がせている福岡市の一家4人殺害事件で”Nシステムに殺害された松本さんの車が記録されていた”と報道されているのです。NHKでも新聞でもNシステムという言葉を使っています。
また、この事件だけでなく検索したところ”米沢・女性殺害事件”でもNシステムによって容疑者の車が見つかったとあります。
私の見落としかもしれないですが、今までニュースの言葉として”Nシステム”は使われていなかったはずです。
これが何を意味するのか。警察がNシステムの存在を公にしてもバッシングされないだろうと思ったからなのでしょう。そうとなれば、警察はNシステムの有用性をどんどん宣伝してもっとたくさんのNシステムを全国の道路に設置したいのです。
警察とリンクした街頭監視カメラもどんどん増えています。日本は世界有数の監視国家になろうとしています。
監視カメラついて肯定的にとらえている人が多いのには驚きます。彼らはこう言います。自分は犯罪者じゃないから関係ない。
しかし犯罪者とは何も泥棒や、殺人者だけを指しているわけではありません。有事法でもあったように、国家の言うことをきかない人(テロリストとも言う(^^;)も含まれるのです。
監視システムが充実していくとどうなるでしょう。犯罪は本当に減るのでしょうか?管理者は全てを掌握したという錯覚に陥ります。そして、自分達の意に沿わない動きを排除しようとします。管理側に不必要な権限を持たせれば彼はどんどんそれを強化し暴走していきます。言うこときかない人=犯罪者はどんどん捕まえてしまえばいいのです。
戦争をするにはいい国になるでしょうね。国民が国家の方針に従って一体となって動くのですから......。
○国民移動監視システム Nシステム
http://www.sakuragaoka.gr.jp/nsys/
○NP会
http://www.npkai-ngo.com/
>ニュースの言葉として使われるNシステム
○米沢・女性殺害 新潟で二男の車発見−−自宅で血のついた服も /山形
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030628-00000005-mai-l06
○高級外車は単独で乗り捨て 逃走車両は別ルートか
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030630-00000241-kyodo-soci
4 JUL 2003 wrote