ロッテが暗黒トンネルに突入した頃、突如として登場してきたのが落合です。彼は社会人野球、東芝府中の出身だったのですが、いつの間にかロッテ不動の4番になっていました。
川崎の狭さを十分に計算しつくしたような、アートのようなホームラン。流し打ちでポンポンとスタンドに放り込み、1日2本3本のホームランかためうちなんてのもまれな出来事でした。
やる気の無いようなふてぶしいヘラヘラした笑顔、突き出た腹。独特のバッティングフォーム。正に川崎ロッテを象徴するのが落合でした。史上初2度の三冠王。右打者では三冠王は無理と言われていたのをあっさりと否定したのも落合でした。しかも2度目は取ると宣言して取ったのだからただものではありません。彼を天才と呼ばなくて誰を天才と呼ぶのでしょうか。
やはりこの三冠王をとった頃が落合選手のピークと言ってよいでしょう。その後数年もずっとコンスタントな成績を残し、誰もが認めるパリーグの4番でしたが。
私もやはり落合のファンでした。新しいヒーロー像というものを与えてくれたのが彼だったかもしれません。野球のヒーローと言えば原選手、王選手、山本浩司選手、田淵選手などさわやかで力強くて華があるものでした。もちろんＣＭにもひっぱりだこ。
ところが落合は違ったのです。落合は唯一ロッテのホカロンのＣＭに登場していましたがそこでもやはりあのニヤニヤ笑いは消えず(^^;; ヘラヘラしたおやじがヒーローというのはその後の私の人格形成にも大きな影響を与えたのかもしれません(^^;そういえば奥さんも有名でしたね(^^;
落合がバカスカ打っても優勝のゆの字も見えなかったのが当時のロッテです。Ａクラスにはほとんど入らず。ビリかブービーが指定席。だいたい5月でペナントレースは終わり、あとは落合が何本ホームラン打つかがロッテファンの楽しみでした。
そして落合は突然中日へトレードされてしまいました。まさか落合が！？これはロッテファンにとっては相当なショックでした。落合がいないロッテはなんなのだ....。正に一時代が終わったのでした。